皆さんは水頭症
という病気をご存知ですか?
今回はekuboをご利用されている裕香子さんに、自分の子が【水頭症】だと判明した時から現在までに起こった心境の変化や想いを伺いました。
診断を受けた時のことを教えてください
妊娠8ヶ月の頃、ちょうどハロウィンの時期でした。健診に行くと『頭が大きい』と指摘されたんです。「万が一水頭症だった場合ここでは対応できない。」と言われ、大きな病院を紹介されました。そこで「確かに頭が大きい。水頭症の可能性が高い。」と言われました。
水頭症とは、脳脊髄液(髄液)の循環障害によって拡大した脳室が、頭蓋骨内面に大脳半球を押しつけることにより、数々の脳の障害を引き起こす一連の病態を言います。
ビー・ブラウンエースクラップより
それから水頭症について調べたりもしたんですが、人によって状態も違ったり予想がつきにくかったり『絶対こうなります!』みたいなことが書かれていなくて・・・。分からないことが多かったこともあり、妊娠中はそこまで不安は無かったんです。
産まれてからはどうでしたか?
出産は帝王切開でした。周りはみんなバタバタしていて凌大も色んな処置をされてました。
その時は泣き声が聞こえなかったのがとてもショックでした。でも産まなきゃ良かったみたいなことは不思議と全く思わなかったです。
実際に会うまでどんな状況なのかも分からなかったんですが、自分の中で予想していたよりもひどい状態だと思いました。あの時はとにかく説明されるがまま色んな書類にサインをしましたね。点滴も10個くらい繋がっていたんですが、その状況は『受け入れるしかないな』とすぐに思いました。
入院すると思ってなかったし、お家に連れて帰ってあげたいという気持ちもあり悲しかったんですが、僕は妻よりも14年長く生きてきてそれなりに人生経験も積んできたので、すぐにそういう気持ちになったのだと思います。
ただ、手の指がくっついていて足の指も無くて、そのことの方がショックでした。『ゆかこにどう伝えよう…。いや、どう伝えてもショックは受けるよな。』って。結局色々考えたんですけど何がベストか分からないまま普通のテンションで伝えてみたんです。
そうしたら「くっついてるんやったら切り離せるし、靴履かせてあげたら大丈夫やな☺️」って普通のテンションで返ってきて。そんな妻に救われましたね。
一番つらいと思った時期はいつですか?
産まれて二週間の時に気管切開する必要があると言われた時が1番悩み落ち込みましたし、辛かったです。
気管切開とは肺に空気を送ったり、痰を吸引しやすくするために気管に孔を開けることを指します。呼吸するとき、吸った空気は鼻やのどから気管を通って肺に送られます。呼吸がうまくいかなかったり、痰や分泌物がうまくはきだせずに苦しくなってしまうことがあります。こういう時に、気管切開をしてあげることで空気が肺に行き渡りやすくなり、痰も吸引しやすくなるのです。
子どもの気管切開なびより
無気肺があるから、お腹の中と外の環境の違いにうまく対応できていなくて「お家に連れて帰る場合には気切しないといけない。」って言われたんです。産まれた時に産声も聞けず、それから二週間一回も声を聞いていなかったし、この子の声を一度も聞かないまま手術をするのかと思うと辛くて。
当時は気切すると声が聞けないイメージだったし、当初言われていた水頭症の治療のことよりも先に、呼吸のことや手術の話をされたのも混乱しました。
どうやって決断されたんですか?
夫ともたくさん話をして、最終的には『お家に連れて帰ってあげられるなら手術をしよう』と決断しましたが、手術をするまでの1ヶ月間は毎日のように泣いていた記憶があります。
でも手術が終わって凌大の顔を見ると、なんだかすっきりした顔をしていて私たちの決断はこれで良かったんだと思えました。それ以降は凌大のことで何かが起こっても、深く落ち込むことがなくなりました。
凌大くんが生まれてから変わったことはありますか?
一番は人間関係です。元々人と会って喋ったりするのが好きだったんですが、凌大がお家に帰ってきてからは毎日看護師さんたちが来たりして、常に他人が家にいるような感覚になってしんどいと思った時期もありました。友人関係にも変化がありましたね。凌大のことをおもしろ半分で色々と聞いてくる人もいて嫌な気持ちになりました。
凌大が産まれる前から『兄弟はほしいね』と夫婦で話していて、障がいがあると分かってからも、その気持ちは変わらなかったです。夫婦で沢山を話して、遺伝子検査もして、次の子が障がいを持って産まれてくるかどうかは普通の妊娠と同じ確率だということも医師から言われていたんです。私の中では「医ケアは大変やけど、大変なのは健常児育児も同じやん」という気持ちもあったので、凌大が障がい児だから兄弟は作らないという考えにはならなかったです。
友人の前でそんな話をすると「次の子も障がいあったらどうするん?」「医ケアあるのに二人目育てられる?私やったら絶対無理やわ。」そんな風に言われたこともありましたね。
また、凌大を1人で連れ出すのは大変なので、友達と遊ぶ時にはお家に来てもらうことが増えましたし、初めて会わす時は「何て思われるやろ。」と考えた時期もありました。そうしているうちに、友人との付き合い方を自然と考えるようになりました。
中にはいつも真剣に話を聞いてくれる子もいて、ekuboでのリハビリで、初めて凌大が立った時にも、一緒に喜んでくれて、成長を一緒に見守ってくれるので、そんな友人がいてくれることがめっちゃ嬉しいです。
同じ境遇のお父さんやお母さんに伝えたいことはありますか?
一言言うなら、そこにいるのは紛れもなく自分の妻との子どもだよ。ということ。しんどいこともある。もっとしんどい思いをしている人もいるかもしれないけど、目の前にいる自分の子どものために自分で、そして夫婦で考えて話してやっていくしかない。ただただそう思います。
医ケアの有無に関わらず、子育てには協力が必要。パパだけでなくママにとっても初めてのことばかりだからこそ、2人で協力し合ってほしいです。これまで仲の良かった友達には分かってもらえないような悩みが増えて、色んな感情になるけれど、色んな制度を使って、色んな人に出会ってみてほしいです。凌大もekuboを利用し始めて私も自分の時間ができたし、家族だけじゃなくて誰かに頼りながら息抜きしてほしい!
妊娠中に病名を告げられたママも、きっと産まれたら可愛いと思えるはず!私も色んな感情が溢れたけど、凌大を見て思ったのは顔めっちゃ可愛いやんでしたし(笑)
凌大くんに伝えたいメッセージを!
父ちゃんと母ちゃんがしてやれることは全力でやるから人生楽しんで!安心して成長してや!
これから体が大きくなっていけば、移動はパパに任せることが多くなるけど、凌大のケアは母ちゃんに任せとけ!最近は自発呼吸も安定して酸素オフにできるようになったから、もっと色んなところにでかけよう!これからどんなことができるようになるのか、未来のことは分からないけど、母ちゃん手助けするからね。
子育ては一人でするものではありません。
こどもはみんなで育てていくものです。
遅々として進まないこの状況、
世の中を変える一石を投じたい。
そのためには出来ないじゃなく
どうやったらできるのかで考える。
そんな思いを持ち
ekuboスタッフ一同は
今日も子どもたちに
溢れんばかりの沢山の愛情を注いでいます。
八方ふさがりになっていたり
独りで抱えていたり
迷っていらっしゃるママさんがもしいたら。
いつでもekuboにご連絡ください。
ekuboは
両手を広げてお待ちしております(^-^)
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