変容性骨異形成症

皆さんは変容性骨異形成症

という病気をご存知ですか?

今回はekuboをご利用されている湊介くんのママであるなつきさんとパパに【自分の子が変容性骨異形成症だと判明した時】から【現在】までに起こった心境の変化や想いを聞いて来ました。その内容を本記事を通してお伝えします。

目次

診断を受けた時のことを教えてください

妊娠後期の検診時の頃です。先生が本を見ながら診察していたんです。それが3.4回、診察のたびに続きました。そして言われたのが

「数ミリ単位ではあるけれど、脚が通常よりも短い。軟骨無形性症かもしれない。将来大人になっても低身長で130㎝ほどだけれども、ただ背が低いだけで日常生活は送れるよ。」と。

それを聞いた時

『何かの間違いでは?』と思いました。

だってまだ産んで、実際にこの目で見ていないし・・・。だから『そんなわけない。』って思いました。

湊介を出産した後は、仕事に復帰する予定でした。だからこそ妊娠も計画的でしたし、妊娠中もとにかく職場に迷惑が掛からないようにしていました。

なのに、なんで?

そんなに二人目の子どもを望むことは高望みだったの?周りの人って、そんなふうに考えて二人目を設けたりしてるの?普通に何も考えなくても二人目ができる人もいるのに・・・。

なんでここまでして?

そんな思いが渦巻きました。

それから出産するまで、インターネットで検索してはネガティブな情報を見ては泣いて・・・。わからないことが多すぎて、不安で。あの時が一番辛かった。

でも、辛い中でも仕事はしていたし、家事や上の子のこと、家のこともあり、出産までの日が過ぎていきました。

ある日、上の子がね。NHKの【にほんごであそぼ】を観ていたんです。私は夕方の準備でキッチンに居て。

そしたらね。【私と小鳥と鈴と】という曲が流れたんです。

『みんなちがって、みんないい』という詩でした。

それを聞いた時・・・。

あぁ、前向きに受け入れな、アカンな。』と思いました。

泣きました。上の子にわからないように、キッチンの陰に隠れて。だけども。受け入れられたと完全に言える状態になったのではなく、その翌日にはまたクヨクヨして・・・。その繰り返しでしたね。

そして、破水がおこり、帝王切開で湊介が生まれました。胸郭の変形があるから、生後すぐにマスクタイプのBIPAPで呼吸サポートは必須でした。

障害を持っている可能性があると聞いた時は、信じられなかったし、受け入れることができなかった。

自分たちに育てられる自信も、障害に対する知識も無かったから、不安でしかなかった。それから、出産までの間にお医者さんからのアドバイスや、障害についての話を聞いて、少しずつ理解と覚悟を持てたかなと思う。

葛藤したことを教えてください

一番葛藤したのは気管切開のオペでした。生後二か月まではBIPAP状態だったのですが、今後も呼吸器が離せないということで、気管切開のオペを勧められる説明を受けました。

今となっては割と見かけるのですが、その当時は私の周りに気管切開をしている子たちはなかなかいなくて、想像がつかなくて

のどに穴をあけるなんて。

と、本当にオペ当日まで迷って葛藤していました。

医療ドラマすら無理な私が、果たして医療的ケアなんてできるのだろうかと。でも、早くおうちに連れて帰ってあげたい。在宅に移行するにはその選択肢しかなかった。いや、それを選択するしかなかったんです。

お姉ちゃんのことについて、湊介が生まれてからは、生活のほとんどを湊介中心に家族が考えるようになった。お姉ちゃんではあるけれど、まだまだ子どものお姉ちゃんに、いろんな我慢をさせていると思う。そんな中でもいつも湊介に優しくしてくれるお姉ちゃんには感謝しているし、なるべくやりたいことをやらせてあげたいなと思う。

気管切開のオペをしてどうでしたか?

最初は気切口を見ることすらできませんでした。首紐交換も遠巻きに見ながら指導を受けるというような状況でした。

それでも毎日NICUに通って、徐々に慣れてきて、10ヶ月の指導期間も含めた入院期間で家庭訪問や、院内外泊、院外外泊などを経て、一つずつ、一つずつ丁寧に進めていきました。

主治医の先生が「ゆっくりでいいからね」と、とても寄り添っていただけたのがありがたかったです。

気管切開してからは表情が出てきたり、声も出したり、状態が落ち着いているのも、そのおかげだと思います。だから、あんなに葛藤していたけれど、今では後悔していません。

湊介君は口からしっかりとご飯を食べていますよね?最初からそうだったのでしょうか?胃ろうなどは勧められなかったんですか?

生まれてから、経鼻経管栄養で過ごしていました。気管切開のオペの時に実は胃ろうの話もされてはいましたが、拒否をしました。

そして気管切開のオペ後、経口摂取を試しました。

結果は全然、飲めず、もちろん、食べられずでした。でも、諦めずに、毎日ずっとトライは続けました。

一度ハプニング的に飲み込んでしまったことがあって、本人がそれで怖くなって、まったくトライも受け付けられずになったりして・・・。おまけに鼻チューブ(経鼻経管栄養チューブ)の入れ替えも、湊介と私、お互いにとても苦痛でした。

でも、それでも。『もうこれ以上湊介の身体に穴をあけたくない』という思いの強さが大きくて。毎日諦めずに、経口摂取の練習をやっていました。

『ミルクは飲めなくても離乳食だったらいけるかも?』と、先生方も理解し協力してくださって・・・。何度も振出しに戻ったり、一進一退の繰り返しでした。

そして、2歳の頃には経鼻経管栄養を離脱することができたんです!

最近インスタを始められましたよね(^-^)何かきっかけがあったのですか?

やりたいとはずっと思っていたんです。『でも、続けられるのか?』とか色々考えてできなかった。

“全身で湊介をかわいいと思っていなかったからできなかった。”

だけど、今は全身で湊介をかわいいと思うから、みんなに見てもらいたい。湊介には感情も訴えもあり、かわいいと思えるところの一つです。そういったところを見てもらいたい。

私も沢山インスタで勉強させてもらえたし、みんなに恩返しできたらいいな、と考えるようになり、発信したくなったんです。あんなに迷っていたのに『続けられなくても、いっか。やろう。』と、ふとトイレで思い、すぐにアカウントをつくりました。

今どうですか?

出産した当時よりは受け入れられて、回数も減ったのですが、やっぱり『なんで私だけ?なんで、そうちゃんなの?』とふとした時にまだ思うことはあります。

大変なこともあるし、医療ケアもあるし、呼吸器の管理もあるけれど。

当たり前のように他の子ができることかもしれないけれど、医療的ケア児にとっては

小さなことでも達成できたら大きな喜びとなります。”

それがいいと思えます。

今も元気でいてくれることが嬉しいし、これからもずっと元気でいてほしい。湊介を育てるうえで、大変なことは多いけれど、嬉しいことも多く与えてくれる子供だと思う。

湊介に思うコト:一番しんどいのは湊介本人だと思う。親として支えることは出来ても、障がいと一生付き合っていく湊介の大変さは本人にしかわからないから。

今までしんどいと思ったことはあまりないけれど、もし思った時には、それを忘れないようにしたい。

こんな世の中になればいいな:行政や福祉施設からの支援や介入はとても助かるが、もっとわかりやすく案内などがあればいいと思う。たぶん今も支援を受けられるのに知識が無くて受けられていない人もいるのではないか。

手続きや申請で役所などにいくのも平日の限られた時間になると、それだけでハードルが上がって諦めている人もいるのではないか。『支援が必要な人にもっと優しい社会になればいいな』と、思います。

同じ境遇のお母さんに掛けてあげたい言葉はありますか?

先が見えなくて、何もわからなくて。ネットで調べては良くない情報に振り回されて、ネガティブな気持ちになってしまうでしょう。

医療的ケア児に関わらずですが、先輩たちに聞きまくって情報を入れ過ぎて、頭でっかちになって、余計に不安になることもあるのではないでしょうか。

不安はわかります。けれどやってみたら、何とかなるもの。失敗しても何とかなるし、それで自分たちのスタイルができていきます。

ひとつひとつ乗り越えて、その時その時、今があります。

医療的ケア児も可愛いし、プラスになることも沢山ありますよ(*^-^*)

あの時の自分に掛けてあげたい言葉はなんですか?

不安で、怖くてずっとクヨクヨ悩んでいるけれど、何とかなるよ。落ち着いてちょっと周りを見渡せば、独りじゃない。

友達だってできる。湊介を通して繋がれるよ。色んな仲間とも、ekuboとも。

独りじゃないから、大丈夫だよ!!

さいごに、パパから、なつきさんに掛けてあげたい言葉はありますか?

笑って楽しく、暮らしていきましょうね(^-^)


変容性骨異形成症とは

変容性骨異形成症は出生時には四肢短縮型低身長を呈するが、成長とともに脊柱変形が増悪して体幹短縮型低身長に変容する。 尾骨部に認める尻尾のような皮膚のヒダは臨床的特徴である。 胸郭は狭く、呼吸障害のため致死性となる重症例もある。 四肢の大関節は著明に腫大して可動域制限をきたす。

小児慢性特定疾病情報センターより

子育ては一人でするものではありません。
こどもはみんなで育てていくものです。

遅々として進まないこの状況、
世の中を変える一石を投じたい。
そのためには出来ないじゃなく
どうやったらできるのかで考える。

そんな思いを持ち
ekuboスタッフ一同は
今日も子どもたちに
溢れんばかりの沢山の愛情を注いでいます。

八方ふさがりになっていたり
独りで抱えていたり
迷っていらっしゃるママさんがもしいたら。
いつでもekuboにご連絡ください。

ekuboは
両手を広げてお待ちしております(^-^)

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